f丸の生態・デイリー

よく本を読んだり、たらたらかんがえごとをしている人のブログです。

基本的に毎日更新しています。
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夢を与える 綿矢りさ
夢を与える
夢を与える
綿矢 りさ

とりあえず、綿矢りさの「夢を与える」は掛け値なしにいい小説でした。

今までにたくさんの小説を読んできましたが、こんなにも「深い絶望」そして
「それに対する諦念」を簡潔な言葉で記した、残酷なシーンを見たことないとさえ
思って、胸がつぶれる思いさえしました。

一部でもう話題になっている「私の皮膚は〜早く老けるだろう」の周辺の
シーンです。

前半の芸能界に携わりながらも、ほとんどそことは関係なく回っていく無邪気な様子
もいいですが、後半の展開や回転が速く、ペースを崩されてきりきり舞いになっていく
様子もいいです。

「自分のすべてを否定してまでも、守らないといけない責任」があるなんて、
なんて切ないことでしょうか。どんなに語りつくされた言葉やテーマかも
しれません。「自分で自分を裏切る事が、相手を裏切らない事になる」
その単純で重い矛盾がどこまでも胸に響きます。
山崎ナオコーラ 「浮世でランチ」
浮世でランチ
浮世でランチ
山崎 ナオコーラ

ナオコーラ、久しぶりの一作。丁寧に作られていて、好きです!
これでも一応、小説を書いたりしている人目線からの感想。

●「人のセックスを笑うな」から視線がかなり広がっている。登場人物、場面、
ページ数、全てにおいて以前よりも奥行きが深い。

●長嶋有、川上弘美、吉田修一、糸山秋子のラインの「変わった人間関係を丁寧に
描写」系の小説。ただ、「OL」「公園でランチ」「アジア旅行」「学校での
人間関係」などが、「パークライフ」など既存小説のごちゃ混ぜ的な印象も
受けるかも??

●主題は「人生において幸せな場所・時間は移っていく」ということだと思う。
中学生のころの思い出が最終的に今と結びつく設定も好きです。

●ただ、こんなにも事細やかにいろいろと描写する必要はあったのかという疑問も
感じる。特に中学時代の描写が多い印象を受ける。また、「エコノミー症候群」など、
十年前にはあまり普及していない言葉などが無防備に使われていて、それが描写の
緻密さと矛盾している。

●OLを主人公としているのに、「つまらないOL生活」の描写をほとんど
すっぱり描いておらず、そこも大胆でいいと思う。こういうことは描いてしまうと
たぶん同じような結果になってしまうから。

●ただ、冒頭の「公園でランチ」している女性観がどちらかというと、人間関係
がどうのこうのという世俗的なことで悩む女性じゃないような印象が。もっと
飄々とした人間として、描いて欲しい気も。もっともそうなってしまうと、作品
自体が別の方向へと動いてしまうのだが。

以上。でも、面白かったですよ。

今夜は心だけ抱いて 唯川恵
今夜は心だけ抱いて
今夜は心だけ抱いて
唯川 恵
唯川恵の新作。今回は恋愛モノと言うよりも、女の友情モノ。

そして、母と娘の身体と心が入れ替わるモノなのに、東野圭吾の
「秘密」じゃなくて、「同・級・生」というノリ。

こんなことを言ってしまうのは、大変に書いた方・お好きな方に対して
失礼になるかもしれません。けれども、言わせてください。

内容に関しては可も不可もなく、テンポよく読ませます。文章も滑らか
です。
けれども、唯川恵の感覚って、なんかまだバブルのころのままなんです。

携帯電話でメールを打とうが、何をしても、バブル臭みたいなもの
が骨の髄までしみこんでしまって抜けません!という感じです。

まずはバブルを忘れて!そして、主人公が仕事重視の強い女で、始まって
すぐにメンソールの煙草を吸うのもかなりワンパターンです!
お願いですから21世紀を生きてください!!
ひなた 吉田修一
ひなた
ひなた

これは〜まったく吉田修一らしくない作品。

自分は吉田修一という作家は「遠いようで近い。近いようで遠い
新鮮な人間関係」を描く作家さんだと思っております。

この小説を読んでいると、ただのルームシェアしているような若い男と女
のお話しとしか思えません。

妙にバブリーな雰囲気、区別をつけにくい人物の印象、するすると
読めるけれども、それだけという感が否めません。

そして、吉田修一の作品にはどこか「今いる場所や自分という存在の
頼りなさ」におびえるような寂しさとか空しさがあると思うのです。

特に「パレード」なんかでは、みんなでがやがやしているシーンでも
そんな冷めた意識みたいなものがあって好きだったのですが・・

うーん、やっぱ「パレード」のほうが面白いですぅ。

なんか支離滅裂になってしまいました(汗)
みずうみ&王国3 よしもとばななダブルス!!
みずうみ
みずうみ
よしもと ばなな
よしもとばななの新作をニ連発で読破!同じ作者なんだから当たり前なのですが、ここまで作風が似た毛色だとは・・・あと、よしもとばななって新作のリリース時期が妙にかぶるのはどうして?
2004年も「うみのふた」と「はつこい」がほぼ同時期でしたね。
満腹感をさらに助長しているのかな?

しかし、今回読んでいて今更ながら感じたことは、よしもとばななの小説って文体は口語調で読みやすく柔らかなのに、書いてある文章自体は説明ですね。描写じゃなくて、主人公の目を通したかなり硬めの分析ですね。
「みずうみ」の冒頭の部分の母と自分の思い出を進めた部分は具体的なエピソードがほとんどない説明でしょう。

熟語とかが相変わらず少ない軟らかい文体で書き進められているけれども、もしもこれをそのまま強引にマンガ化してみたならば、この部分は欄外に絵を省いた言葉の羅列になることでしょう。

あと昔のよしもとばななってTUGUMI」でたとえてみるならば、「不器用にしか生きられないマイノリティ」(つぐみ)を「それを温かく見守る淋しがりやさん」(まりあ)を通して眺めた図式なのに、どうも最近は主人公一人がその両方の役をしてしまっているイメージですね。

うーん。簡単にまとめてみると、スピリチュアルで唯我独尊のテイストが非常に大きくなっているイメージです。柔らかい言葉で書いているけれども、この意志の曲げなさ頑なさは小さな新興宗教という不気味さが増えているイメージです。
それならばランディみたいな文体のほうがやはり好きなのです。
恋せども、愛せども   唯川 恵
恋せども、愛せども
恋せども、愛せども
唯川 恵
たくさんファンの方も多い唯川恵で、こんなことを申し上げるのはなんだか申し訳がないのですが、この方の小説にはf丸好みな「天地がひっくり返ってびっくりするほどの面白さ」は求めておりません。

けれども、新作が出ればとりあえずは読んでいるので、好きな作家と言ってもいいのかもしれません。

けれども、この唯川恵お得意の「対照的な二人の女性が仕事に結婚に奔走する」パターンはもうどうでしょうか?

その二人の女性を姉妹にしても、おばあちゃんとお母さんを加えても、少なくとも自分にとっては「同じ」という印象を受けてしまいました。

篠田節子の「女たちのジハード」みたいに数を増やしたら面白いのかな、とか角田光代の「対岸の彼女」みたいにもっと際立って対照的な二人が心の溝を埋めあえば面白いかなと思うも、自分の中では答えは出ないまま・・

あと唯川恵って、登場人物の幼少時代の性格をエピソードの描写じゃなくて、言葉の羅列の説明で表現するけど、これももうどうなんでしょうか?
少なくとも自分はそういう部分はやや異質で読みたくないと感じる箇所です。

いや、本当にお好きな方には申し訳ないのですが・・・
犬はどこだ 米澤 穂信
犬はどこだ
犬はどこだ
米澤 穂信
素晴らしい作品でした。今までこの作家さんの小説は可もなく不可もなくという印象でしたが、どことなく覚めたような感覚を持ち続けているギャグセンスあふれる小粋な文体、ミステリーとして飽きさせない批評をつかせる展開などが素晴らしく秀逸で、ちょっとよくあるステレオタイプな探偵役の主人公という最初の悪いイメージが吹き飛んでしまいました。

思い返してみると、スーパーズガン(片山まさゆき、この例は少し卑怯?)系のアンラッキー探偵というこれまたけっこうありふれた話しです。
なのに真面目なくせにどこか適度に不真面目な主人公の紺屋は自分の思惑とは別の方向へとアンラッキーに巻き込まれていて、それでいてどこか飄々としていて、個人的にはいい意味で展開を裏切って、さくっとさらっと飽きさせないで、そのうえ軽い文体がマイナスポイントにならないすごい満足した読後感を与えてくれて、大変にしあわせな308ページでございました。
「バースト・ゾーン 爆裂地区 吉村萬壱」
バースト・ゾーン―爆裂地区
バースト・ゾーン―爆裂地区
吉村 萬壱

吉村萬壱の作風は相変わらずセックスアンドバイオレンスで貫き通していますね。それも本宮ひろ志(実はまだ未読です。勝手なイメージですので、なんか違っていたらすみません)とかのこだわりを持ったセックスアンドバイオレンスではなく、人間もアニマルとして扱ったセックスアンドバイオレンス。まぁ、それもまた同じようにこだわりなのですが。
まぁ、上昇志向のS&Vなのか原始的なS&Vなのか。なんか両方、アバンギャルドなエッジのもので、端的に表現すると一応真逆のはずなのに、その小説の読んでみたイメージは両方退廃的なイメージしかわきませんね。すみません。本宮作品は読んでいないのに分かったような口をきいてしまいましたが。

どろどろした汚いものを無理やり固めたような直接的でえげつない描写は人の好みそれぞれでしょうが、個人的な意見だと新堂冬樹の描写よりかはえげつなさは低いです。やはり、そういう嫌悪感を感じてしまうのは「悪意」が背景にある行動なのでしょうか。少なくとも自分の場合は。

ただ、この小説を読んでいて思ったことは、このテーマ自体が休憩の大きな汚さみたいなもので、ある程度の長さならばどこで終わっても一応小説としてはしっくりくるオチとなるような気がするのです。

ここで、こういうふうに終了としたことも何か意味があるのかな。それならばもう少し短くてもいいのじゃないのかな。
でも、そうすると「クチュクチュバーン」とか「ハリガネムシ」と同じような着地地点になってしまうからこの長さにしたのかな?とか考えてしまいました。

個人的な意見になりますが、正直、文体もそんなに読みにくいわけじゃないです。笙野頼子や町田康なんかのほうがクセがあって読みにくいのでは?と思いました。
「聖者は海に還る」 山田宗樹
聖者は海に還る
聖者は海に還る
山田 宗樹

面白かったです。こういうの好きです。
山田宗樹にしては良心的なページ数なのもうれしいです。
「嫌われ松子〜」と「天使の代理人」でも思ったのですが、
この作者はどこかで聞いた事のある展開のなかでぎりぎりオリジナルな部分を出して、興ざめになりそうな気分を覚まさせてくれますね。
この小説も読んでると比留間がこの高校を悪い方向へとのっとろうとする悪カウンセラーというベタな展開をイメージしたら、弱い部分や悩んでいる部分を見せてそこから離して、もちろん展開もそこから動いてくれてよかったです。

あっ、この高校は犬山と微妙にずらしていますが、T高校(中学)をモデルにしていますね。愛知県民には丸分かりですよ。いとこがここに通っていました。卒業生で友人も数人。
この学校、石橋貴明の元奥さん(not保奈美)が卒業生で、学校の近所にその実家があって、石橋貴明が挨拶に来たのをみんなで見に行ったと友達が言っていましたよ。

でも、この学校、正直あまりいい評判は聞かないですね。余計なお世話ですが。
「春期限定いちごタルト事件」米澤 穂信
春期限定いちごタルト事件
春期限定いちごタルト事件
米澤 穂信

「さよなら妖精」が思ったよりもあまり好きじゃなかったので。
北村薫系の「ちょっとした事件をいろいろ考えてやってみよう」系ミステリでした。
短編集と思いきや、わりといらないんじゃないかとか無関係なんじゃないかという話しが微妙なツボで最後にかみ合わさっていくのがすごくよかったです。

どこまでもほんわかした感じでした。
あさみさんにお借りしました。どうもありがとうございました。